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アルプスの少女ハイジ

Heidi, Girl of the Alps

『アルプスの少女ハイジ』 illustrated by かりん
illustrated by かりん
アルプスの少女ハイジ(03) [DVD]
巻数
第03巻
DVD品番
BCBA-0166
発売日
1999年08月25日
収録時間
103分
ディスク
片面1層
ファイル
ドルビーデジタル
音声種別
モノラル
字幕
日本語(ON/OFF)
税別定価
¥3,800
メーカー
バンダイビジュアル
HP
詳細ページ ※外部
スタッフ/データ
脚本
大川久男
絵コンテ
富野喜幸
協力
東京スタジオセンター
あんだんて
作画
坂井俊一
桜井美知代
高野登
動画チェック
篠原征子
水田めぐみ
背景
西芳邦
西原繁男
石橋健一
撮影
トランスアーツ
熊瀬哲郎
荻原亨
編集
高橋佽男
演出助手
横田和善
進行
富岡義和
本放送日
1974/03/10
視聴率
22.7%
登場人物/キャスト等
あらすじ
第10話

おばあさんの家へ

[01:15]Aパート
ペーターにおばあさんが会いたがっていると聞いたハイジは、次の日の朝目が覚めると飛び起きて下に下ります。
ハイジは今すぐにでもペーターの家に行こうという勢いでしたが、おじいさんに雪がひどくて行くのは無理だと言われます。
扉を開けて外を見ると猛吹雪で、ハイジも諦めるしかありませんでした。

おじいさんに言われてその日は諦めたものの、おばあさんの家へ行くという考えはハイジの頭の中から離れませんでした。 おばあさんに招かれたのですから、どうしても行かなければと思ったのです。

「おじいさん、今日こそ行かなくっちゃ」
「おばあさんが待ってるわ」
「うむ… 雪がやまにゃあな」

そうした5日目、昨日までの吹雪も止んで、見違えるほどの上天気になりました。
ハイジは屋根裏の窓に詰めた干し草を取り除き、頭を出して外を眺めます。
「わあぁぁ…」
「行けるわ」「今日は行けるわ」

ハイジは梯子を駆け下ります。
「おじいさん、今日は行けるわね?」
「もう随分おばあさんを待たせたんだもの」

「ハイジ、今日は行けないよ」
「えっ? 雪は止んで、とってもいいお天気よ」
「とっても静かよ」

「いくら雪が止んでも、雪が凍って固まってくれなければ何処へも行くことは出来ないんだよ」
ハイジにはよく分かりませんでしたが、その日は諦めるしかありませんでした。

1日経ち小屋の屋根には大きなつららが出来て、朝日に照らされてキラキラ光っていました。
「ごちそうさま」
「さあ、行こうか」
「どこ行くの?」
「ペーターの家だよ」
「えっ!?」

ハイジはまだしばらく行けないものと思い込んでいたのか意表を突かれたように驚き、そして満面の笑みに変わりました。
「ゆうべ一晩で雪は凍ったから今日はもう大丈夫だ」
「そう! 行けるのね! わ~~~!!」

おじいさんはソリを出してきて、ハイジを前に乗せ、二人乗りで山を滑り下ります。
ソリはまるで小鳥のように速く、あっという間にペーターの家に着きました。

「これがペーターの家?」
「そうだよ」
ペーターの家はあちこちが壊れていて、まるで廃屋のようです。
おじいさんはハイジに、暗くなりかけたら帰ってくるように言うと帰っていきました。

[07:00]POINT
ハイジはペーターの家に入ります。
でも奥からカタカタと音がするだけで誰もいません。
ハイジが奥まで入っていくとおばあさんが糸車を回しているのが見えてきました。

物音が聴こえたのか、おばあさんが尋ねます。
「ブリギッテかい?」
「ううん、ハイジよ」
「え?」

「こんにちは、おばあさん」
「あたし、とうとうやってきたわ」
「ずいぶん長い間待ってたでしょう?」

「ああ、お前がアルムおんじのとこにいる子かい?」
「ハイジというのはお前かい?  え?」
おばあさんは両手を前に出します。

「ええ、そうよ ハイジよ」
ハイジも両手を前に出すと、おばあさんはその手をやさしく握ります。
「おやまあ、なんて温かい手をしてるんだろう」

その時、外からバタバタと音がしてきました。
壊れた雨戸が風に煽られて窓にぶつかっているのです。
「おばあさん、あの雨戸早く直さないとガラスが壊れちゃうわ」
「ほんとにね~」

「でも、よく来ておくれだね~ ハイジ」
「ほら 見てよ、おばあさん」
「あんなにバタバタぶつかってるのよ」
「ええ、ええ」「でも、あたしには見えないんだよ」
「ええ…?」「見えるわよ?」

ハイジには“見えない”という事がどういう事なのか分からなかったようです。
しかしおばあさんと話していくうちにだんだんと理解し、もう決しておばあさんの目が明るくならないと知ってハイジはおばあさんの膝で泣き始めました。

「誰か明るくしてくれる人はいないの?」
「もう誰もいないの? 本当に誰も?」
「うん」
「わああ…」

「でもいいんだよ、ハイジ」「心配しなくていいんだよ」
「人は何にも見えないとやさしい言葉を聞くのが嬉しいもんなんだよ」
「さあ、泣かないでお前のことお話しておくれ」
ハイジは普段めったに泣く子ではありませんでした。 けれど、この時ばかりはいつまでも泣き続けました。

[12:40]Bパート
「待ってて、おばあさん あたしみんなおじいさんに言うわ」
「おじいさんはきっとおばあさんの目を明るくしてくれるわ」
「それに雨戸も直すわ」
「このお家も壊れないようにしてくれるわよ」

「ありがとうよ、ハイジ」
「お前はほんとにやさしい子だね」
ペーターのお母さん、ブリギッテが帰ってきました。

おばあさんはブリギッテにハイジの様子がどんなだか尋ねます。
「お母さんのアーデルハイドみたいできれいだけど、目が黒くて髪がちぢれてるところなんかお父さんのトビアスやアルムおんじにそっくり」
「この子はあのふたりに似てるようですよ」

「そうかい」おばあさんは微笑みます。
「でもまあ、ほんとによく来てくれたね」
「大変だったろう? 雪で」

「ううん、おじいさんとソリに乗ってきたんだもの」
それを聞いておばあさんとブリギッテは驚きます。
あのアルムおんじがそんなやさしいことをするわけがない、と。

ハイジがウソじゃないと言うと、おばあさんは言います。
「それじゃあペーターの言ってたこともまんざらウソじゃなかったんだね」
「ペーターが?」
「ああ、おんじがとてもお前をかわいがっているってね」
「ええ、そうよ」

ハイジは山小屋に来てからのことや、冬の間どうやって暮らしているかということなど、おじいさんとの暮らしを次々と話して聞かせました。
おばあさんとブリギッテはあのアルムおんじがやさしいなどということに半信半疑どころかほとんど信じていない様子ながら、それでもハイジの話に感心していました。

そこへ、学校へ行っていたペーターが帰ってきました。
おばあさんはペーターに読み方はどうだったかと尋ねます。
ペーターは毎度このように聞かれているらしく同じことだと返事しますが、おばあさんには不満でした。

「おばあさんはペーターに何て言ってもらいたいの?」
「あたしはね、この子に早く読み方を覚えてもらいたいんだよ」
「そこの棚の上に古いお祈りの本があるだろ?」
「あの本の中には、きれいな歌がいっぱい入ってるんだよ」

「あたしはあれを長い間聞いたことがないし、もうすっかり忘れてしまったからね」
「それでね、ペーターが読み方を覚えれば時々きれいな歌を聞かせてもらえるかと思ってね」

ハイジは手を伸ばして、ほこりをかぶった本を手に取ります。
「でもね… ペーターはなかなか覚えてくれないんだよ」
ペーターは字なんて難しすぎると言い、本を開いてみたハイジにも字は読めませんでした。

ハイジの話していた口が止まりました。
おばあさんがおしまいなのか尋ねた時、ハイジは窓の外を見ていました。
「帰らなくっちゃ」

「おじいさんに暗くなったら帰るって約束したの」
「もうそんな時間かい」
おばあさんはハイジにショールを貸してあげ、ハイジはまた来ることを約束して別れを告げました。

[18:45]POINT
ハイジが帰路につきペーターが送っていこうとすると、おじいさんがヨーゼフと一緒に迎えに来ました。
その姿を見たブリギッテはびっくりしてしまいます。
「おじいさーん!」
「いい子だハイジ 約束を守ったね」

おじいさんが迎えに来たのでペーターはお役御免、ショールもペーターに返しました。
ブリギッテはアルムおんじの様子を直接見て、ペーターの言っていたことが本当だったと信じざるを得ませんでした。

おばあさんもブリギッテがそう言ったので今度はそれを信じ、よかったと肩を撫で下ろしました。
ハイジが今度いつ来てくれるかと待ち遠しくなり、生きていく楽しみができたとまで言わせるほどになりました。

ハイジは帰り道、おじいさんに言います。
「明日、カナヅチと長いクギを持ってっておばあさんとこの雨戸を直さなくっちゃいけないわ」
「なに?」

「雨戸のほかにもまだ直さなきゃいけないとこがいっぱいあるわ」
「そうか、そんなことをしろというのか」
「誰がお前にそんなことを言った?」
「えっ?」

「誰も言わないわ 自分で考えたのよ」
「ん?」
「だって、おじいさんならできるんだもの」
「ね? 明日行きましょうよ」
「う うむ…」おじいさんは帰る間ずっと考えていました。

[20:50]
翌日ペーターの家ではいつものようにおばあさんとブリギッテが仕事をしていると、家がガタガタ言い出しました。
「ああ神様、とうとうダメです」「家がつぶされます」
おばあさんは頭を抱えます。

するとそこにハイジが現れます。
「おばあさん、こんにちは」
「ああ、ハイジ もうおしまいだよ」
「おお、何もかも壊れてしまう」

「おばあさん、怖がらなくてもいいのよ」
「あれはおじいさんがクギを打ち付けてる音なの」
「えっ? おんじが?」「でもまたなんでアルムおんじが?」

「忘れたの? 昨日直しにくるって約束したじゃない」
「ハイジ…」
「ブリギッテ、神様はまだあたしたちのことをお忘れにならなかったんだね」 
「ええ」

お礼を言いたいからアルムおんじに中へ入ってもらうようにおばあさんはブリギッテに言います。
そしてブリギッテはアルムおんじにお礼を言って、中へ入るように言いますがおじいさんは面倒くさそうに言います。
「ああ、もういい 分かった」

「このわしのことをお前たちが何と思っておるかちゃんと知っておる」
「具合の悪いとこはわしが調べる」「中へ入ってなさい」
「はい」

おじいさんが一度言い出したことは後には引かない性質であることをブリギッテはよく知っていました。 その日1日おじいさんは家の周りや屋根の上に登ったりして壊れている所を全部直してしまいました。

長い間何の楽しみもなかったおばあさんにとって、この日は今までにない幸せな日でした。 たとえ目は見えなくても、おばあさんの心は夕陽に照らされ金色に燃えている山のように明るく輝いていました。

[23:45]予告
アルムの山では、激しい吹雪が何日も吹き荒れています。 それでもハイジはペーターと遊んだり、あらしの木に集まる動物たちにエサを与えたりして、楽しく毎日を過ごしていました。 雪の晴れたある日、ふもとから獲物を追ってきた猟師たちがおじいさんの止めるのも聞かず山の奥深く入っていき、とうとう吹雪に閉じ込められてしまいます。 ハイジはだんだん心配になってきました。
次回は「吹雪の日に」お楽しみにね。

[24:25]エンディング